ニトリ、27連勝記録に黄信号

急激な円安で環境一変、「安さ追求」は限界か

決算説明会で話す似鳥昭雄ニトリ社長

6月末。東京・赤羽にあるニトリ東京本部で開かれた決算説明会では、同社の基本理念である「ニトリ憲法」が「改正」されていた。

ニトリ憲法とは、同社の経営戦略を条文化した独自の規範。これまでは「一に安さ、二に安さ、三に安さ、四に適正な品質、五にコーディネーション」としていたが、「一に安さ、二に適正な品質、三にコーディネーション」に変わっていたのだ。

「正式な憲法改正ではない。試験的にやってみて社員の意識がどう変わるか見ている」と似鳥昭雄社長は言うものの、「憲法」とは国家でいえば最高法規であり、他の法律や命令による変更はできないという大原則。それを仮にも変えようとするメッセージのインパクトは小さくない。

これ以上は「安さ」を追求できない?

国内の家具業界では、大塚家具が円安の進行を受けて4月から値上げを実施するなど、輸入品を中心に価格改定の動きが広がっているが、ニトリは「今の価格を維持する」(白井俊之専務)と値上げは否定する。ただ、ここで出てきた「ニトリ憲法の改正」を解釈すれば、自社の持ち味である「安さ」をこれ以上追求していくのは、難しいということを示しているようにも受け取れる。

ニトリは素材の産地やサプライヤーの見直しも進め、コスト削減に一段と取り組むが、そのうえで収益拡大戦略として採るのが、新商品の積極的な投入による売り場の活性化と客単価の引き上げである。

例年のニトリは、1年間のうちに既存商品の30%程度を新商品へと入れ替えてきたが、この切り替え率を今後は60~70%まで高める方針だ。帝人などと連携して開発した接触冷感機能を持つ寝具など、高単価な機能性商品などの拡販を見込んでいる。

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