「指示待ち人間」はなぜ生まれてしまうのか

優秀な人ほど、知らずにそうさせてしまう

実は私のところに来たばかりの頃だと「指示待ち人間」候補と思われる人もいた。始めから指示を待つ姿勢なのだ。もし私がテキパキ指示を出していたら立派な指示待ち人間に育っていただろう。しかしどうしたわけか、自分の頭で考えて動く人間に必ず変わった。

私の場合、指示を求められたときに「どうしたらいいと思います?」と反問するのが常だ。私は粗忽できちんとした指示を出す自信がないので、指示を待つ人の意見も聞くようにしている。最初、指示待ちの姿勢の人はこの反問に戸惑う人が多い。しかし私は引き下がらず、意見を求める。

「いや、私もどうしたらいいかわからないんですよ。でも何かしなきゃいけないから考えるきっかけが欲しいんですけど、何か気づいたことあります?」と、何でもいいから口にしてくれたらありがたい、という形で意見を求める。そうするとおずおずと意見を口にしてくれる。

「あ、なるほどね、その視点はなかったなあ」「今の意見を聞いて気づいたけど、こういうことにも注意が必要ですかね」と、意見を聞いたことがプラスになったことをきちんと伝えるようにし、さらに意見を促す。そうすると、だんだんとおずおずしたところがなくなり、意見を言うようになってくれる。

むやみには否定せず、希望していることを伝える

もちろん、私の希望とはズレた、的外れな意見も出てくることがある。でもそれもむやみには否定せず、「なるほどね。ただ今回は、こういう仕事を優先したいと思っているんですよ。その方向で考えた場合、何か別の意見がありませんかね?」と言い、私が何を希望しているのか、伝えるようにしている。

こういうやりとりを繰り返しているうち、私が何を考え、何を希望しているのかを、スタッフや学生は想像できるようになってくるらしい。そのうち「出張でいらっしゃらなかったのでこちらでこう処理しておきましたが、それでよかったでしょうか?」という確認がなされる。大概ばっちり。

たまに私の考えとはズレた処理の場合もある。しかしその場合でも「私の指示があいまいだったので仕方ないです。私の責任ですので、気にしないでください。ただ、実はこう考えているので、次からそのように処理してもらえますか」と答えておく。そうして、考えのズレを修正していく。

・私の考えを折に触れて伝える
・後は自分で考えて行動してもらう
・失敗(私の考えとずれた処理)があっても「しょうがない」とし、改めて私の考えを伝えて次回から軌道修正してもらう

この3つの注意点を繰り返すだけで、私の考えを忖度(そんたく)しながらも、自分の頭で考える人ばかりになる。

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