日本最大の見本市…実は「工作機械」だった モーターショーと「コミケ」を超えた理由

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ただビッグサイトにも一層の拡張計画がある。2020年の東京五輪でビッグサイトはプレスセンターとして使われる予定だ。それまでに拡張棟という2万平方メートルの施設を建設する。オリンピックが終われば、最大で11.8万平方メートルの展示スペースが確保できることになる。

実はビッグサイトとJIMTOFには長年の深い「縁」がある。そもそもJIMTOFの主催者は、工作機械メーカーの業界団体・日本工作機械工業会(日工会)とビッグサイトだ。ビッグサイトの前身で、東京都が設立した東京国際見本市協会は、高度成長時代の1950年代からさまざまな見本市を主催していた。

ビッグサイトとJIMTOFの蜜月

JIMTOFもそのひとつで、当初は日工会も協賛団体の一つに過ぎなかった。その後、日工会との共催となり現在に至る。ビッグサイトも多くの見本市の主催事業から手を引いているが、このJIMTOFだけは今なお主催者として積極的な運営を行っている。

「東京ビッグサイトはJIMTOFが入る大きさを想定して作られている。今後も主催事業として育てていきたい」と東京ビッグサイトの成田康夫・JIMTOF事務局部長は意気込む。

アジアでは中国の展示会が規模を広げる中、JIMTOFは存在感を高めることはできるか。ビッグサイトとの二人三脚の挑戦が続く。

宇都宮 徹 東洋経済 記者

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うつのみや とおる / Toru Utsunomiya

週刊東洋経済編集長補佐。1974年生まれ。1996年専修大学経済学部卒業。『会社四季報未上場版』編集部、決算短信の担当を経て『週刊東洋経済』編集部に。連載の編集担当から大学、マクロ経済、年末年始合併号(大予測号)などの特集を担当。記者としても農薬・肥料、鉄道、工作機械、人材業界などを担当する。会社四季報プロ500副編集長、就職四季報プラスワン編集長、週刊東洋経済副編集長などを経て、2023年4月から現職。

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