ホンダの夢が詰まった新型「NSX」工場の全貌

スライドショーで見る超高級車の作り方

ホンダが米オハイオ州に新設した「NSX」専用工場では、熟練工による作業が目立つ(記者撮影)

「夢―DREAM」。ホンダが米国オハイオ州に設けた最新工場「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PMC)」の入口には、創業者・本田宗一郎が好んだこの1文字が大きく書かれている。自動ドアが開くと、一般的な自動車工場とは少々趣の違う光景が目に飛び込んできた。

ここはホンダが来年2月に国内発売する2370万円の超高級スポーツカー、新型「NSX」を量産するための専用工場だ。11月10日、報道陣に工場内部を公開した。白が基調の広々とした建屋には「NSX」がぽつぽつと点在している。車がずらりと並ぶ大掛かりな生産ラインは見当たらない。

NSXの生産は1日に8台だけ

需要のある場所で現地生産するというホンダの理念や当時の日米貿易摩擦の高まりを背景に、1982年、ホンダは念願だった乗用車の米国現地生産を始めた。日本の自動車メーカーとして初めて乗用車の米国生産を開始したこのオハイオ州メアリズビルの地に、PMCは7000万ドル(70億円超)を投じて建設された。今年4月にNSXの量産が始まっている。

「アコード」などの量販車種を生産するメアリズビル工場では、1ラインの1日当たりの生産台数は約1000台であるのに対し、PMCで生産されるNSXは1日当たり8台と極端に少ない。伊東孝紳・前社長がNSX復活の決断をした際、生産現場に課した条件が「スモールボリュームの車種に適した全く新しい生産方法を編み出す」というものだった。

工場全体を見渡せる体育館のような空間の中に、溶接から塗装、組み立てまでそれぞれの工程がまとまりをもって、ただ壁や柱で隔てられることなく並んでいる。需要の変動に対応できるだけの柔軟な生産体制を目指す。

溶接や塗装などの作業には大きな機械やロボットが活躍する一方、組み立てなど多くの工程は熟練工の手作業だ。機械と人間がうまく協働することで生産に柔軟性を持たせつつ、NSXの緻密で高品質な組み立てを実現した。

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