日経平均は1万4000円台前半への戻り目指す

いったん最悪期を脱した株式市場

最悪期を一端脱したのか(撮影:尾形 文繁)

「最悪期を脱した」という感触が得られた。日経平均は6月以降初めて25日移動平均線を奪回。日足を見ると、6月13日安値1万2415円を起点に下値を切り上げ、三角保ち合いを上抜けた。6月の月足を見ても長い下ヒゲをつけており、底割れは回避できそうだ。

もっとも、悪材料としてクローズアップされ始めた中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」問題は将来的に深刻な危機につながる懸念がある。影の銀行とは中国政府の監視を逃れた一種の迂回融資のこと。以前から行われていたことだが、米国の金融緩和縮小の影響を受けて中国景気が悪化すれば、融資は不良債権化する。問題点は、融資規模や不良債権がどのくらいあるか実態がつかめないことだ。

金融市場は「わからない」「不透明な」ことを嫌う。6月最終週の前半はこの問題を嫌気して世界の株式市場が下落。NY連銀のダドリー総裁が慌てて、金融緩和縮小時期の後退に言及するなど沈静化を図った。市場はこの発言を素直に好感して持ち直したが、これで影の銀行問題が解決したわけではない。日本株は目先戻りを試す展開が予想されるが、この問題は今後何度も蒸し返されて市場に動揺を与えるだろう。

日経平均の次の上値メドは、5月高値から6月安値までの下げ幅の半値戻しである1万4178円前後の水準と見る。1万4000円台に乗せる場面があれば、反落に備えていったん保有株を売る準備をしたい。

「株式ウイークリー」編集長 藤尾明彦)

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