スマホの「ブルーライト」は何がマズイのか 害するのは「目」じゃなくて「健康」だ

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一般的なスマホ・パソコンの使用時間なら、ブルーライトだけのせいで目が損傷する、という決定的なデータはありません。それなのに……世間には、何がなんでもブルーライトが悪いといわんばかりの情報があふれており、ちょっと違和感を持ってしまいます。

しかもブルーライトの問題点について書かれているウェブページを見ると、なぜか極端な条件下での検証データを多用していたり、なぜかブルーライト対策の商品・サプリの広告が貼られていたりします。「ブルーライト悪玉説」で誰かが得をするのだろうな、と考えてしまいます。

もちろん別にブルーライトに義理立てするつもりはないし、肩を持つ気もありません。もし誰かが客観的で科学的で長期的な検証を行ない、ブルーライトの「ワル」判定がされれば、受け入れます。回りくどくなってしまいましたが、ブルーライトが健康を害するかどうかについては、科学的な検証の余地があるのです。

「目」じゃなくて「健康」を害する

しかし、少なくとも寝る前にスマホやパソコンのブルーライトを見ることが「健康」を害するというのは、ほぼスジの通った話です。「目」ではなくて、「健康」を害するのです。

青空のもとで日光浴をしたら、誰だって頭が冴えます。同じように「寝る前のスマホ」も、まぶしいスマホ画面が脳を活性化させます。そんな状態で眠りにつけば、睡眠の質が下がるわけです。つまり、「ブルーライトが目に悪い」のではなくて、「寝る前のブルーライトは、睡眠の質を下げて健康に悪い」ということなのです。

筆者はこれを逆手にとって、朝は寝床でスマホを手に取り、アプリを立ち上げ、ブルーライトをガンガンに浴び、頭をスッキリさせてから起きているくらいです。

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