三菱自動車の優先株、年内処理に含み 株主総会で首脳陣が表明

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別の株主からは「既存の優先株の処理を含め、どのようなタイミングで復配できるのか」という質問が出た。これについて市川副社長は「前年度の税引き後利益が380億円だった。これを継続的に400億円ないし500億円の水準を維持すれば配当できるレベルになる。今期(2014年3月期)は最終利益500億円の見通しだが、これが達成されれば復配にたどりつくことがはできると考えている」と述べた。

市川副社長は続けて、優先株の処理について「今年度決算をもって復配を実現したいと考えている。復配を実現することを考えると優先株を処理しなければ、優先株主に先に支払う配当金が大きくなってしまう。普通株への復配の前に優先株の処理をしたい。来年度の総会前、そういう意味では今年度内、できれば年内が理想」として、今年中の優先株処理に含みを持たした。

品質改革、「できるものからやっていく」

品質をめぐる問題についても、厳しい質問や意見が相次いだ。

ある株主は「世の中の状況がめまぐるしく変化するなか、1年もかけて改革をやるのか。3カ月でやったらどうだ」と短期間での品質改革を経営陣に迫った。この点について益子社長は「1年をかけてやるのではなく、できるものからやっていくということだ。品質の改善は急務であり、今回の件を機にしっかりと取り組む所存だ」と返答した。

また、「女性専用のスポーツカーを作ってはどうか、アクセルとブレーキの間を広くして踏み間違いによる事故を軽減できないのか」という質問も。益子社長は「貴重な意見としてとらえ、開発陣に検討させる」と答えた。

議決権を行使できるは株主35万4063人(議決権個数607万8108)に対し、総会開始時点での出席株主は書面、ネットで議決権を行使した株主を含めて9万3688人(同406万7489)。質問に立った株主は7人(昨年は11人)だった。

12時11分には質問も尽き、取締役、監査役選任や普通株式併合などの6議案は承認された。所要時間は136分(昨年106分)で、12時16分に閉会となった。

(撮影:梅谷 秀司)

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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