トランプ氏の安保政策は日米同盟に亀裂生む 同陣営とのパイプが希薄で見極められず
[東京 9日 ロイター] - トランプ米大統領の誕生に、日本の外交・安全保障政策に携わる関係者の間では戸惑いの声が広がっている。選挙期間中の発言通り孤立主義的な方針を取るなら、日本は自主防衛の強化を迫られる。
しかし、日本は同陣営とのパイプが希薄で、米国の安全保障政策がどう変化するか見極められていないのが実情だ。
「矛」と「盾」の役割見直しも
トランプ氏は選挙期間中、米軍駐留費を増額しなければ日本や韓国から撤退するなど、同盟国との関係見直しをほのめかしてきた。安倍晋三政権は集団的自衛権の行使を可能にするなど、自衛隊の役割を拡大して日米同盟の強化に腐心してきたが、トランプ政権の誕生で政策転換を迫られる可能性が出てきた。
日本の元外交官は「日本は考え方を変えなくてはならなくなる。強い米国に守られていることに慣れきっていた」と話す。
日米は自衛隊と米軍の役割分担を定めた「防衛協力の指針(ガイドライン)」を2015年に見直したが、米軍が「矛」、自衛隊が「盾」という基本原則を変えるところまでは踏み込まなかった。
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