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トランプ氏の安保政策は日米同盟に亀裂生む 同陣営とのパイプが希薄で見極められず

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しかし、中国が軍事力を増強し、北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄しない中、トランプ次期政権の方針次第では、敵基地を攻撃する打撃力の保有議論が日本国内で盛り上がる可能性がある。

外務省関係者は「自主防衛の強化を望む人たちにとっては、あれもこれも必要だ、と主張できるようになる」と指摘する。

知日派のキーパーソン

とはいえ、トランプ氏が発言通り同盟国に負担増を求めるのかどうかを含め、日本政府は次期大統領の外交・安保政策の中身を具体的に把握できていない。ワシントンの日本大使館が今年に入ってトランプ陣営の情報収集と分析を進めてきたが、関係者によると、外務省幹部が知日派のキーパーソンに接触できたのは、最近のことだという。

「トランプ氏がアジア太平洋地域の政策をどうしようとしているのか、よく分からない」と、米国政治に詳しい慶應義塾大学総合政策学部の中山俊宏教授は言う。「これまで訴えてきた通りなら、日本はこの地域の中での立ち位置を見直す必要があるだろうが、まったく不透明だ」と、同教授は話す。

中国の台頭を前に、日本は米国との同盟を柱にフィリピンやオーストラリア、インドなどとの連携を強化してきた。仮に中核となる米国との関係が不安定になれば、安倍政権の安保戦略は大きく狂いかねない。

まずは政権移行チームとパイプを築き、アジア太平洋地域における日米同盟の重要性を説く構えだ。

自民党の阿達雅志外交部会長は、「トランプ氏は現実的なビジネスマンで、損か得かで考える。日米同盟が米国にとって利益でなることを説明すれば、天秤で図って重要性を理解してくれるだろう」と話す。

安倍首相は9日午後、河井克行補佐官に渡米を指示した。来週、次期政権の関係者と面会する。

 

(久保信博 取材協力:リンダ・シーグ 編集:田巻一彦)

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