日経平均は小反落、大統領選前に利食い優勢 TOPIXは小幅高、売買代金は低水準に終わる

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 11月8日、東京株式市場で日経平均は小反落。米大統領選をめぐる不透明感の後退から前日の米国株が大幅高となった流れを引き継ぎ、朝方は買いが先行。取引時間中としては3営業日ぶりに一時1万7200円台を回復した。写真は都内で昨年1月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は小反落。米大統領選をめぐる不透明感の後退から前日の米国株が大幅高となった流れを引き継ぎ、朝方は買いが先行。取引時間中としては3営業日ぶりに一時1万7200円台を回復した。ただ米大統領選を前に手控えムードも強く、利益確定売りなどに上値を押さえられた。TOPIXは小幅高となった。

前日の米ダウ<.DJI>が371ドル高となり、上昇率では今年3月1日以来の大きな伸びを記録。ドル/円<JPY=EBS>も104円台半ばとドル高/円安に振れたことを受け、朝方の東京市場では輸出株を中心に買い安心感が広がった。

ただ、日経平均が寄り後にきょうの高値を付けた後は売り優勢の展開。後場には日銀による上場投資信託(ETF)買い入れへの期待感などから下げ渋ったものの、前日終値を挟んだもみ合いに終始した。米大統領選を控え投資家の様子見姿勢が強く、東証1部の売買代金は1兆7766億円と低水準にとどまった。

日経平均ボラティリティ指数<.JNIV>は前日比4%安の22ポイント台となったが、10月末の水準(19.12ポイント)と比べて高い水準を維持。「スキュー(ゆがみ)が今年6月以来の高水準まで上昇しており、米大統領選を前にダウンサイドリスクが意識されている」(eワラント証券ヴァイスプレジデントの堤壮一郎氏)という。

様子見ムードが広がるなか、業績などを手掛かりとした個別株物色の展開が続いた。ブラザー工業<6448.T>は年初来高値を更新。7日、17年3月期の連結営業利益が前年比6.2%減の550億円になる見通しと発表。前回予想(485億円)から65億円増額し、材料視された。

半面、7日に2016年12月期の通期連結業績予想(国際会計基準)を減額したDMG森精機<6141.T>が大幅安。8日に17年3月期連結業績予想の下方修正を発表した東レ<3402.T>も後場一段安となった。

東証1部騰落数は、値上がり805銘柄に対し、値下がりが1055銘柄、変わらずが127銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      17171.38 -5.83

寄り付き    17242.70

安値/高値   17130.83─17247.04

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1363.49 +0.69

寄り付き     1367.57

安値/高値    1360.1─1369.04

 

東証出来高(万株)165971

東証売買代金(億円) 17766.96

 

(杉山容俊)

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