起業ブーム再び!今、“81世代"が面白い YJキャピタルCOO 小澤隆生氏に聞く

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ポテンシャルよりも、まずは実績を見る

――投資をするかどうかの、決め手となるのはどういう部分でしょうか。

ヤフーとして見る場合は、現況の数字を結構見ます。もちろんポテンシャルがあることが大前提ですが、「今、どれぐらい数字が出ているか」に注目します。実際にビジネスをしていて、小さなサイズでもいいので、1回転していることがすごく重要です。いわゆる企画書には、おカネは出さないですね。

小澤隆生(おざわ・たかお)
YJキャピタル 取締役COO
早稲田大学卒業後、CSK入社。1999年にビズシークを創業。2年後に楽天に売却。ビズシークの吸収合併により楽天に入社し、役員としてオークションを担当する。
その後、楽天イーグルス立ち上げ担当として楽天野球団取締役事業本部長に就任。2006年に楽天を退社し小澤総合研究所を設立、ベンチャーへの投資やコンサルティング業務を行う。2011年に設立したクロコスを2012年にヤフーに売却し、ヤフーグループに参画。2012年より自ら設立に携わったYJキャピタルのCOOに就任。

――経営者の人物像としては、どういうところを見ていますか。

社長としての経営力、胆力、人間力というのはなるべく見ようと思っています。大事なのは、粘り強さ、しつこさ、勝ちへの執念みたいなもの。それを胆力というのかもしれませんが、やっぱり突き詰めていく力だと思います。

いろいろな経営者と働いてみて感じるのは、成功確率を上げるために重要なのは、「アーティスティックな部分」よりも、「当たり前のことを深掘りしてやる力」。やり切る力を持っている経営者には投資したいなと思います。

それと、茶目っ気というか、遊び心がある人を僕は好む傾向があります。そういう人の営む事業やサービスは、お客さんを引き付けやすいですし、何かきついときがあっても、最後は人柄で乗り切れてしまうところがある。

あとは、頭を下げられる人。お願いができる人、プライドが高すぎない人ですね。勝ち負けで言えば、勝ちにこだわるんですが、ダメなときはダメだと認められる人が好きです。

ベンチャーに限らず企業には、悪いときが必ずきます。その際に、頑張り抜けるか、おカネが足りなくなったときに、誰かに拝み倒して頼むことができるかどうか。そういうときに、頭を下げられずに、失敗してしまう人をこれまで何人も見てきました。

一定のプライドは必要ですが、プライドが高すぎる人はベンチャー企業に向かない傾向があると前々から思っています。これは、非常に定性的な僕の主観ですが、見栄っ張りや、プライドが高い人よりは、ぶっちゃけ話ができる人のほうが、成功しやすいように思います。

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