トヨタ経営陣が目指す「真の競争力」 株主総会で語った、トップの思い
――米国では若者向けが弱い。トヨタ車は「親が乗る」クルマだ。
布野幸利副社長 日本でも米国でも若者のクルマ離れが進んでいる。ただ、若者がクルマから離れるのでなく、われわれ自動車メーカーが若者から離れているのではないかと思う。われわれのほうから若者に近寄っていく努力をしていく。
――人口の半分は女性なのに女性用のスポーツカーがない。
加藤光久副社長 女性の嗜好は承知している。クルマづくりに反映しているつもりだが、これからも努力を惜しまず、女性にお手ごろなスポーツカーとは何かを考えながら開発していきたい。
――車名はどうやって決めるのか。カタカナ車名が多い。
前川眞基副社長 出したいクルマの性格、コンセプトに合う名前を広い領域から考えていく。登記されている名前もあり簡単にはいかない。伝統もあれば新しいものもある。今後はもう少し視野を広げていきたい。
社長のレース出場、「社員と語り合うため」
――豊田社長はレースに出場しているが、万一のことがあったらどうするのか。レースに出ないほうがいい。
加藤副社長 レースの出場が目的ではない。もっといいクルマを作るための最終決定者として、社内決定して出てもらっている。出場前にさまざまなコースで十分トレーニングを積み、レース中も安全に配慮している。本人も自分の技術を熟知して慎重な運転に努めてもらっている。もっといいクルマづくりのためにトップ自らがハンドルを握る。こういう会社はほかにはない。とてもすばらしいことだと思う。
豊田章男社長 レースに出るのはエンジニアでない私が、クルマにかかわっている社員と共通言語で語り合うためにやっていること。短時間だがハンドルを握ったことで、私の「いいクルマをつくりたい」というセンサーも研ぎ澄まされた。今後レースに出るかは分からないが、ご理解を賜りたい。
――豊田社長がはじめて買ったクルマは?
豊田社長 はじめて手に入れたのは祖母に買ってもらったコロナSR。本当はセリカGTがほしかったが、なぜコロナだったかはわからない。エアコンもラジオもついていなかった。自分のお金ではじめて買ったのはカローラの中古車でグレードは4ドアのGT。カローラには今も思い入れがある。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら