「イジメと戦争」はこの世から絶対に消えない それでもタモリさんと考えた、唯一の解決法
背筋がゾクッとした。
この言葉は僕の胸に深く刺さって、生まれて初めて『戦争』と真剣に向き合うこととなった。
どうやら僕らは信じられないぐらい残酷な仕組みの中に生きている。でも、僕らには知恵があって、問題がある以上は必ず答えがあって、なにより、「システム上、戦争はなくならない」と断言してしまう結論はあまりにも寂しい。
そういえば、以前、テレビ番組で谷川俊太郎さんが「『戦争はなくならない』というところから考え始めたら、なくし方が見つかるかも」と言っていたな。タモリさんと同じ考えだった。
僕らにできることとは
あの夜から、ずっと考えていた。分かりやすくするために規模をもう少し小さくして、友達関係のこと、親子関係のこと、ご近所関係のことから。
そして、数年後にようやく『オルゴールワールド』という作品の中で、僕なりの結論を出した。「なるほどな」とニコリと笑ってくださったタモリさんの顔を今でも鮮明に覚えている。
「僕らは戦争をなくすことはできないのかもしれないけど、止めることはできる」
答えは僕が子供の頃から信じているエンターテインメント。
ピストルの引き金を引かなきゃいけない立場の人間でも、笑っている時や、何かに感動している瞬間は引けない。引き金を引くのは、笑い終わった後や、感動し終わった後だ。
つまり、エンターテインメントが世界中の人間を感動させている瞬間だけは平和で、「だったら、その時間を長くすればいいじゃん」というのが僕の結論。
いつだって僕は自分のためにやっているんだけれど、そのことが巡り巡って誰かの救いになっていたりすることがある。
その延長で、きわめて短い時間であろうと、争いを止めることができるなら、そもそもそういう目的で始めたわけじゃないんだけれど、作り手冥利に尽きる。
極上の棚ボタであり、エンタメを作る僕らの希望です。