日本人はなじめない、アメリカの超学歴社会

階級上昇を目指す、熾烈なる戦い

『ニューヨーク・タイムズ』の「結婚欄」

アメリカの現在の学歴社会の実相を知るために、『ニューヨーク・タイムズ』紙の日曜版にある「結婚欄」を見ることをお勧めする。ここには、毎週、数百組の応募カップルの中から20~30組ほどが選ばれて、経歴・写真入りで掲載されている。

この欄は、ひと昔前は、WASPの息子・娘のウエディングしか載っていなかった。彼らは決まって資産家の息子・娘たちであり、花婿はアイビーを花嫁はセブンシスターズを出ていた。しかも、その家系まで紹介されていた。

しかし、今では、あらゆる肌の色の花婿・花嫁が登場し、そのプロフィールも多彩だ。ただし、必ず紹介されているのは、次の4項目である。

1. どこの大学で修士号あるいは博士号(PhD)を取ったか

2. 大学院、大学の専攻(メジャー)は何か

3. 現在の職業

4. 両親の職業

この4項目を見れば、アメリカの現在の階級社会が歴然とする。今や昔のように、家柄や出自、富の多寡を競っているのではない。華麗な学歴と職業を競っている。

とはいえ、ここに登場する花婿・花嫁の卒業校は、昔とほぼ変わらない。みな名門一流大学・大学院の卒業生である。しかもほとんどの花婿・花嫁は、「サマ・カム・ラウディ summa cum laude」(最優秀卒業生に与えられる名誉。日本で言えば「総代」)か「マグナ・カム・ラウディ magna cum laude」(第2位の成績で卒業する生徒に与えられる名誉)であり、また、「ファイ・ベータ・カッパPhi Beta Kappa」のメンバーである。

ファイ・ベータ・カッパというのは、1776年に創立された成績優秀な大学生の友愛会であり、このメンバーになることは大学生にとっての最大の栄誉だ。

これが、アメリカの大学で勉学に励む学生たちのひとつのゴールである。このようにして形成される学歴・階級社会は、日本人にはなじめないが、留学するなら知っておくべきことだ。

『ニューヨーク・タイムズ』紙では、世論調査で階級意識を聞いている。「どの階級に属していると思うか」という質問に対する米国民の回答は、上流(アッパー)1%、中流上位(アッパーミドル)15%、中流(ミドル)42%、労働階級(ワーキング)35%、下流(ローワー)7%となっている。

次ページ日本の学校は勉強させない
キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 奨学金借りたら人生こうなった
  • ベテラン車両の肖像
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT