米GDP第3四半期は2年ぶりの高い伸び 年率換算で前期比2.9%増、輸出が好調
[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が公表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比2.9%増と、2014年第3・四半期以来2年ぶりの高水準だった。伸びは第2・四半期の1.4%から加速し、市場予想の2.5%も上回った。
輸出が大きく増えたほか、在庫投資も持ち直し、個人消費の減速を補った。
生産の増加分の約半分は輸出と在庫投資が占めており、エコノミストからは成長率の大幅な伸びは一時的な可能性があるとの指摘も出ている。
だがGDPデータは、米経済が平均1.1%の成長にとどまった上期から失速するとの懸念を和らげ、米連邦準備理事会(FRB)による12月の利上げを後押ししそうだ。
アトランティック・トラスト・プライベート・ウェルス・マネジメントのデービッド・ドナベディアン最高投資責任者(CIO)は「経済が急回復する状況にはないかもしれないが、GDP統計は経済拡大が止まる危険がないことを示唆している」と話す。
個人消費支出は2.1%増。第2・四半期の4.3%増からはペースが鈍ったが、引き続き経済を支援した。
輸出は10%増と、2013年第4・四半期以来の大幅な伸びとなった。大豆の輸出が大きく伸びたことが押し上げ要因で、貿易のGDP寄与度は第2・四半期の0.18%ポイントから0.83%ポイントに高まった。
大豆輸出が急増した背景には、アルゼンチンとブラジルで大豆が不作だったことがある。
エコノミストは大豆による輸出の大幅な伸びは第4・四半期に反転する可能性があるとしているが、同時に資本・消費財の輸出も足元では好調とも指摘している。
在庫投資は126億ドル増え、GDPへの寄与度は0.61%ポイントとなった。
石油・ガス油井を含む非居住構造物への投資は5.4%増と、伸びは2014年第2・四半期以来の大きさを記録した。第2・四半期は2.1%減だった。
企業の機器投資は2.7%減と、4四半期連続の落ち込みとなった。ただ、マイナス幅は縮小している。
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