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新築分譲の段階で存在する「長期修繕計画」は、デベロッパーが作成したものだが、もし、判で押したように10年ごとの工事計画が組まれていたら、すぐに検討しなおした方がいい。国のガイドラインは5年ごとの見直しを薦めている。

「1回目の大規模修繕工事が築18年だったり20年だったりする例もありますよ」。

高層マンションにも余裕で対応できる昇降式足場(エスアールジータカミヤ提供)

管理組合の団体である京滋マンション管理対策協議会(京滋管対協)の谷垣千秋代表幹事はこう指摘する。「塗装や防水にまつわることは、勉強すれば誰でも理解できる分野です」(谷垣代表幹事)。

そのうえで、日常のちょっとした補修工事でも管理会社から記録を見せてもらうようにしていれば、次第に、この工法は持ちがいい、この材料はあまり効果がないというようなことがわかっていくはずだという。

「住民が予防管理に詳しくなると、次の工事の際には、本当に必要な箇所に吟味した材料を使える。工事費が安いと中身がずさんになるという声がありますが、逆や、と言いたい。往々にして、高い工事内容を押しつけられているのです」(谷垣代表幹事)。

気になる大規模修繕工事の費用は、外壁が塗装壁で1世帯60万~80万円、タイル壁だと1世帯80万~100万円が1つの目安となる(50~100戸のマンションの場合)。タイル壁は欠けたり浮いたりしたタイルを剥がし、下地を補修し張り直すという手間がかかるため割高になる。ただ、工事の内容を最適化すれば、工事費を納得いく水準にすることは可能だ。

修繕分野に決まり切った常識はない

マンションストックの増加に伴い、補修・修繕の実例もどんどん積み上がってきている。当然、技術も日進月歩。新しい工法を取り入れない手はない。

総工事費の3割超を占めると言われる作業足場の世界では、組み立て式の仮設足場に代わる選択肢として、移動昇降式やブランコ式が注目されている。組み立て式は前述のように、マンションの周囲をすべて足場で囲い、シートやネットで覆うやり方だ。

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