間違いだらけのマンション修繕 業者にだまされないために情報武装しよう!
これに対して、移動昇降式は、まず建物に沿ってマストと呼ばれる柱を立てる。そこにプラットフォームという作業スペースを設置。プラットフォームが柱に沿って上下に移動するしくみだ。工事中以外の階は、眺望も採光も遮られずストレスがないうえ、足場を伝って侵入者が入るおそれもないので防犯上も安心だ。
「リフトクライマー」の名称で移動昇降式足場を展開するエスアールジータカミヤでは、通常の足場が組めない高層マンションを当初念頭に置いていたが、「『工事中の閉塞感から開放される』と、意外にも中層階マンションから引き合いが多い」(エスアールジータカミヤ)。モーターを使っているので、プラットフォームが昇降する際も「ハイブリッド自動車並みの静かさ」(同)だとか。マストは地上210㍍の高さまで設置でき、国内に現存するあらゆるタワーマンションに対応可能だ。
一方のブランコ足場は、ロープで吊るしたブランコに腰掛けて作業する。設置が簡単で費用も安い。ロープは本格的な登山にも使うもので、通常1~3㌢㍍の太さがあり、800㌔㌘~1㌧の重量にも耐える。ブランコ足場で長年の実績がある外装専科の伊藤洋之輔社長は、「作業員の足に力が入らないというような心配も無用です。実際、道路沿いの崩落防止工事では100%近くブランコ足場が使われている」(伊藤社長)。
まだまだ多い誤解や先入観
マンションは1つとして同じものはない。常識だと言われる工事内容でも、本当に必要なのかは一度疑ってみるべきだろう。
たとえば、外壁の高圧水洗浄。1平方㍍80~150円かかる。吹きだまりや陰に隠れた箇所には有効だが、「道路に面したような外壁についた汚れは、雨でつねに流され、洗われている」「水ならぬおカネを吹き付けて下水に流すようなものだ」と指摘する専門家は少なくない。
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