JR九州の「初値3100円」は、高いのか安いのか 本業の鉄道は厳しいが不動産事業には強み

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JR九州の豪華列車「或る列車」の車内。大赤字の鉄道事業が、なぜ急に黒字化するのだろうか(撮影:今井康一)

10月25日、九州旅客鉄道株式会社(JR九州)が悲願の上場を実現した。東証1部でついた初値は3100円と、公募価格の2600円を19.2%上回った。順調なスタートといえる。

ただし、先行きはわからない。昨年11月4日に上場した日本郵政グループ3社は、上場直後に株価が大幅に上昇したが、今年1月から急落し、現在の時点ではいずれも公募価格を下回ったままだ。JR九州はどうか。

過去29年、鉄道事業は一度も黒字になったことがない!

先に上場したJR3社(東日本・東海・西日本)は、新幹線が成長事業となって最高益を更新し、株価も長期的に上昇していった。JR九州は、当初、新幹線を保有していなかったため、成長の元がなかったが、2011年に九州新幹線が全線開通してからは、新幹線に新たな業績拡大の期待がかかっている。

加えて、2013年に運行開始したクルーズトレイン「ななつ星」や、さまざまな趣向をこらしたD&S(デザイン&ストーリー)列車が国内外の観光客に人気を博している。

ところが、JR九州は、分割民営化によって発足した1987年以来、鉄道事業が黒字になったことが一度もない。東京・大阪・名古屋の3大都市を地盤に持つJR3社とは、収益地盤がまったく異なる。JR「3島会社」と言われるJR九州・四国・北海道には、人口減少地域で赤字ローカル線を抱える不安がつきまとう。沿線人口の減少で、経営はこれからますます厳しくなる可能性もある。

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