偉大なる鈍感力を持つ男・松山英樹 日本人選手よ、神経質になりすぎるな

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帰国後すぐに彼がしたことは、トレーニングだった。打球練習よりも、身長180センチメートルの恵まれた体格の体幹をさらに鍛えないと世界で勝てないという気持ちが強かったのだろう。

「出る試合は全部勝ちたい。勝ち目標にします」という言葉も、彼の朴訥(ぼくとつ)な雰囲気だと嫌みがない。

「余計なことは考えないようにしています。(攻略も)キャディーに任せて、言うとおりに迷わず打つだけです」と、プレッシャーをいかに排除して自分の1打に集中するかを重視している。

このところ10代の選手も含めて、ずっと日本人選手には世界ランキング上位選手に比べて小柄な選手が多かった。久しぶりに、という形容詞は、彼の体格も世界水準であることだ。

朴訥といえば、彼の携帯電話に登録してある姉妹の番号表示は、「姉」と「妹」としか書かれていない。付け加えるなら、彼のトラッドなブレザー、ネクタイ姿がとてもさまになっていて、遠くから見ると世界を駆け巡るスポーツマネジャーのように見えるのは、僕だけの印象だろうか。

当面の松山の目標は、世界ランキング50位以内に入って、来年のマスターズ出場権を獲得することである。

三田村 昌鳳 ゴルフジャーナリスト

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みたむら しょうほう

1949年生まれ。大学卒業後、『週刊アサヒゴルフ』副編集長を経て、77年にスポーツ編集プロダクション(株)S&Aプランニングを設立。日本ゴルフ協会(JGA)オフィシャルライター、日本プロゴルフ協会(JPGA)理事。逗子・法勝寺の住職も務める。

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