マンション時限爆弾 老朽化にどう対応する

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「事業者支配」から脱し資産価値守る管理組合も

とりわけ、十分な耐震性の認められる新耐震基準(1981年)以前に建てられた106万戸の建て替えもしくは大規模修繕は、待ったなしの状況だ。ただ、2年後に建て替えられる上野下アパートのような建て替え可能な物件は、ほとんど残されていない。

となると、適切な大規模修繕を行うことは欠かせないはずだが、この重要事をマンション業者に丸投げしている管理組合も少なくない。分譲当初、デベロッパーや管理会社が作成した長期修繕計画には、事業者にとって都合のよい記載が散見される。そこには、「大規模修繕は専門的な内容で、素人の管理組合にはわからない」という発想がうかがえる。

だが意欲のある管理組合の中には、こうした事業者支配から脱し、主体的に管理に取り組もうとする動きも出ている。国土交通省は専門家へのヒアリングを経て、最新の改修技術についても広く情報提供を行うなど、そうした取り組みを後押しする。全国で1400万人が住む、重要な社会インフラとなったマンション。その資産価値を生かすも殺すも、主役である住民の意識次第だ。

(週刊東洋経済2013年6月8日号)

週刊東洋経済編集部
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