オリンパス、“背水の陣”で挑むデジカメ改革 笹宏行社長に聞く

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今後はソニーとの連携強化も

――資本提携先のソニーと、デジカメでの協業は?

レンズと鏡筒を当社から供給し、ソニーからは強みを持つセンサーを供給してもらいます。

――現状は搭載するセンサーのほとんどがソニー製になっているのでしょうか。

汎用のセンサーを搭載すればすぐにデジカメの製品化ができるわけではありません。開発設計段階から、どのようなセンサーを、どう画像エンジンと組み合わせて性能を出すかという作業が必要になるので時間がかかります。今後は、ソニー製のセンサーが増えていくことになるでしょう。

――数量は少ないですが、一眼レフは今後どうなるのでしょう?

今後の新製品の計画も考えているし、やめることはありません。

――利益柱の内視鏡事業に比べるとデジカメ事業は投資効率が悪いです。撤退の可能性はありませんか。

今の時点で撤退は考えていないということです。事業環境は我々の想定を超えて動くこともあります。それはその都度、修正はしていかなくてはいけません。コンパクトデジカメは販売台数を半分に絞ってやっていくという決断をしました。ミラーレスも利益を伸ばしていく計画です。その想定に反して、今はスマホの影響でコンパクトが大幅に減っているような状況がさらに別の次元で大きく進行すれば、その時点で判断しなくてはいけません。

これは当たり前のことで、好調の医療事業に関しても同じようなことが起これば考えなければいけません。

――笹社長はデジカメの技術が内視鏡事業にも役立っているという認識をお持ちですね。

センサーにしても画像処理技術にしても、常に最先端を走っていないとダメです。医療事業は6年に一回という新製品発売のサイクル。これだけでは最先端の技術にキャッチアップしていくのは難しいです。先端技術をどこで蓄積していくかという点で、デジカメは技術開発を牽引するプロダクトでもあるのです。

(撮影:梅谷 秀司)

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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