「アベノミクスバブル」が完全に崩壊するとき いまの株価はバブルか?

✎ 1〜 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

問題は、むしろ株価が上がった後

しかも、今回のように、上がりすぎたこと、それを狙って仕掛けたこと以外に下落した理由がない場合、そして、世界的なリスクオフの流れではなく、日本市場だけの暴落である今回は、これをきっかけに世界の流れが大きく変わるわけではない。そのような場合は、多くの日本株投資家が、それも、プロ達が、まだ売りたいと思っていれば、その願望は実現するのだ。つまり、もう一度上がるのだ。

なぜなら、ここまで下がってから売るのは悔しい。あるいは、もったいない。ほとんどの投資家がそう思えば、一連の暴落による恐怖感で売ってしまった投資家以外は、もうこんな水準では売らない。誰も売らなければ下がらない。そうなれば、上がるしかない。だから、上がるのだ。

問題は、上がった後だ。そして、その上がり幅と持続力だ。多くの投資家は、ここまで下がってからは売りたくない。だから、今は売らない。しかし、いったんバブルが崩れれば、かなりの投資家は、今回天井で売りそこなったが、次はちゃんと売ろうと思っているはずだ。だから、次に上がったところでは売ることになる。

この願望が強ければ、いわゆる売り場を作るような動きを相場が作る可能性がある。いったんいい水準まで戻す。そして、そこで多くのプロの投資家は売るだろう。彼らが、どこまで強気か、あるいは貪欲かによって、この売り場のタイミングと水準は変わってくる。これは、もはや相場心理であるから、企業の実績などは全く関係ない。

前回の山である1万5900円付近は一つの焦点となる。その近くまで上がってくれば十分だ、と思って売る投資家もいれば、強欲に、待ったのだから、前回の山は越えてから売りたいと思う投資家が錯綜するだろう。前者が強ければ、その手前で相場は止まり、その後は、一定期間、モミ合いが続き、相場的には、その後、ボックス圏の動きという展開になろう。一方、後者が強ければ、1万6000円台を突破し、その後は、彼らの強欲次第ということになろう。

次ページ後の株価は一本調子では上がらないが…
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事