サムスン「ギャラクシーS4」、日本攻略の成算 李英熙・副社長に聞く
――日本でのシェアは5位。課題をどのように分析していますか。
2012年暦年の基準でみると、ほとんどの国でナンバーワンになっており、例外は米国と日本でした。しかし4月下旬にAT&TなどがS4を発売してからは、まだベライゾンが扱っていないにもかかわらず週間単位でのトップを実現しています。しかも2位のアップルとの差をどんどん広げています。つまり現時点でトップでない国は日本だけです。
――1位ではない国はほかにもあるように思いますが。
台数ベースではあるかもしれませんが、基本的に金額ベースで見ています。調査会社のデータによって差はありますし、毎日のように変化している指標だと思いますが、サムスンのデータでは日本以外はすべて1位になっています。
米国の場合は1位のアップルと僅差だったため、S4を発売したと同時にトップになれたのですが、日本は1位との差は非常に大きいので簡単ではありません。
消費者に触れてもらう機会が圧倒的に少ない
――それはなぜでしょうか。
日本ではまだまだ課題が多いと思っています。米国では先ほど申したように、全国のベスト・バイにサムスンのショップ・イン・ショップがあり、そこでさまざまなサムスンの家電製品が展示されています。ここでサムスンブランドがいかに優れた製品を出しているか、という世界観を示しています。
対して、日本で販売しているサムスン製品はスマートフォン、ノート、タブレットに限られている。そのため消費者にサムスンの製品に触れてもらう機会が圧倒的に少なかったと思います。
しかし、今回は体験できる場所を増やします。実際にS4を触っていただければ、日本の消費者は製品のよさをわかってくれるはず、と確信しています。日本の消費者の要望を把握して製品開発をしようと努力しており、その情熱は近いうちにわかってもらえると思います。会社としての情熱をメディアに対するコミュニケーション戦略で広げていく努力もします。
顧客サポートについても、まだまだやるべきことがあります。スマートフォンやタブレットは売って終わりではなく、OSのアップグレード、使用方法のコンサルティングなど、接点がずっと持続する製品です。サムスンは販売後のサポートを徹底的に充実させることで評価を高めてきました。しかし、日本は流通体系が異なっていることもあり、顧客サポートができていない。ここが勉強不足、努力不足な点だと認識しています。
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