キヤノンMJがドローンで組んだ異色の相手 大手が続々参入する分野に突破口はあるか
測量から農業、インフラ点検、警備、宅配まで、幅広い分野での活用が期待されている「ドローン」(小型無人機)。個人向けに販売されているものなら、今や1万円前後の低価格な機種まである。2015年4月には首相官邸にドローンが落下する事件が発生、改正航空法(同年12月施行)の制定にもつながり、一躍注目された。
AI(人工知能)や自動運転と並ぶ成長分野で、”空の産業革命”としても注目されているドローンは、2020年には国内だけで1138億円の市場が想定されている(インプレス総合研究所調べ)。民生用では世界シェア首位の中国DJI社が一強状態である一方、産業用には多くの会社が参入し、勝者がまだ見えていない。そこへ9月5日、キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)がドローン市場への参入を発表した。
キヤノンMJは、産業用ドローンのシステムメーカーであるプロドローン社(本社:名古屋市)による第三者割当増資10億円のうち、1億円を引き受けて出資。キヤノンMJのほかにはアイサンテクノロジー社などもプロドローンに出資している。
ドローンにはキヤノンの映像機器を搭載
今回の出資によって、キヤノンMJは国内における販売契約をプロドローンと締結。プロドローン製のドローンにキヤノン製の映像入力機器を搭載することになる。販売開始は2017年中だ。
そのプロドローンは、2015年1月に設立されたベンチャー企業である。放送用大型カメラを積むドローンを作れないかと相談され、河野雅一社長が1989年に立ち上げた放送用映像音響機器企業の一事業部として始まった。この事業部を母体に独立したのが2015年1月。現在はプロドローンが設計から製造まで受託するODM方式をとっている。調査・コンサルから機体の設計・開発・製造、修理やメンテナンスまで、自社によるワンストップでの一括提供が武器だ。
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