キヤノンMJがドローンで組んだ異色の相手

大手が続々参入する分野に突破口はあるか

プロドローンは空撮や測量、農薬散布で顧客を抱え、代表的な大口客にはあの農機メーカー国内首位のクボタがいる。ほかにも、たとえばプロドローンとアイサンテクノロジーとは、自動走行用マークシステムで協業。車にGPS(全地球測位システム)とカメラを搭載して地図を作成する際、撮影し切れない部分について、ドローンを利用して上空から撮影した映像を組み合わせるシステムを両社で共同開発している。

ただ規模的には、2015年12月期の売上高でまだ5000万円程度。今2016年12月期に売上高4.5億~5億円、来2017年12月期には売上高15億円で黒字化が目標だ。2メートル以上の大型機、1メートル程度の中型機と小型機を手掛けている。一般的に大型機は高価で、何もついていない基本形の機体のみでも数百万円になり、レーザー測量機をつけるとさらに追加でかかる。

では、キヤノンMJとプロドローンが手を組めば、一体どのような化学反応が起こりうるのか。まず、メーカーで販売ノウハウの薄いプロドローンにとって、キヤノンMJの持っている全国的な営業網は魅力的。また現状でもプロドローン製のドローンには、「CINEMA EOS」などキヤノン製品が搭載されている。プロドローンは今後、より小型・軽量化されたドローン向けのデバイス供給をキヤノングループから受けることも考えている。「米国でも『プロドローンの製品を見てハードの重要性を感じた』という会社もある」(河野社長)。

新たな商材を開拓したいキヤノンMJ

一方、キヤノングループの国内販社であるキヤノンMJにとって、ドローンは新たな商材の候補だ。今回の出資を機に、未開拓だったドローン事業の情報収集も可能になる。

キヤノンMJの2015年12月期の営業利益のうち、約半分をカメラや交換レンズなどのイメージングシステム部門、3割超をプリンタや複合機などのビジネスソリューション部門が占める。が、国内市場に限られるうえ、ペーパーレス化の進行やスマホカメラの性能向上により、これらは高い成長を見込めるものではない。中期的に伸ばしたいのは、ネットワークカメラなど新規のキヤノン製品群に加え、ウイルス対策ソフトをはじめITソリューションなどキヤノンMJ独自のサービスである。

いわば今回のドローンもその中の一つ。産業用ドローンの分野には、楽天のほかエアロセンス(ソニーとZMPの合弁)など、多くのプレーヤーが参入しており、混戦模様を見せている。業者が数多く乱立する中、キヤノンMJとプロドローンはどこまで他社と差別化できるか。この異色の組み合わせから目が離せない。

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