広告で「契約のリスク」を見破れ! 落とし穴は小さな文字で書かれている

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ここで注意していただきたいのは、「接面道路」という項目。こんな項目に注目される方は少ないと思うが、非常に重要な項目である。

普段、なにげなく通っている道路には大きく分けて2つの種類がある。ひとつは公道、もうひとつは私道だ。公道とは、国道・県道・都道・市道・区道といった公の道のことで、私道とは、私人、すなわち個人が所有している道路のこと。住宅が接している道路がこれらのどちらなのかを示す項目が「接面道路」で、法律によって記載が義務づけられている。

私道か公道かは、小さいようで大きな問題

さて、この広告の「接面道路」を見てみると、「4m道路」と書かれている。実はこの広告、公道・私道の区別を示していない違反広告である可能性がある。こういったケースは、決して少なくはないのが実情だ。

それではこの道路は、公道なのだろうか、私道なのだろうか。公道に面していることはその不動産のセールスポイントなので、ただ「道路」と書いてある場合、まず間違いなく私道に面していると考えられる。

ではなぜ、私道はまずいのか。問題は、私道は「他人の土地」だということ。他人の土地だから、実際にクルマで通行しようとした際、私道所有者から許可されない場合があるのだ。特に、道路沿いに車庫つきの家がない場合は要注意で、通行自体が制限されている場合すらある。

こんな落とし穴にはまらないよう、私道を通行するための「通行承諾」というものを、道路所有者から取る必要がある。これを取ることにより、安心して通行できるようになるので、この承諾書を売買契約の条件とすることが重要なのだ。

この承諾を、不動産会社または売主が道路所有者から取得することを条件として、売買契約を締結するようにしなければならない。なぜなら、購入後に個人がその交渉にあたるとなると、多大な金銭を要求される場合が多々あり、とても危険なのだ。

さらに、広告によっては「位置指定道路」という表記をされている場合もある。これは記載方法は正しいのだが、わかりづらい。「位置指定道路」というのは、私道であって、かつ道路として行政からの指定を受けているという意味なのだが、これも、私道であることには変わりないので、同じく注意する必要がある。

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