「配偶者控除」の後継候補、「夫婦控除」とは?

所得税改革が年末の税制改正のテーマに

配偶者控除とはどのような仕組みなのか。夫が正社員、妻がパートで働く家庭を例に考えてみる。妻のパート収入が103万円以下であれば、夫は所得税で38万円の配偶者控除が受けられ、その分税負担が軽くなる。だが、妻の収入が103万円を超えると、配偶者控除がなくなり、夫の税負担は増える。ただし、1987年に「配偶者特別控除」が創設され、妻の収入が103万円を超えても、税負担を差し引いた実質的な手取りが減少してしまうようなことはなくなった。税制上、「103万円の壁」はすでに存在しないのだ。

しかし、依然として「壁」が問題視されている。総務省の就業構造基本調査によると、妻がパート勤務である共働き世帯において、妻の収入の区分は「50万円以上100万円未満」が48%と比率がもっとも高い。150万円未満に9割が分布している。制度上「壁」はないはずなのに、多くのパート主婦は壁があることを前提に働いているようだ。

「103万円の壁」の内側にとどまろうとする理由

理由の一つは、企業や官庁など給与支払う側が配偶者手当を含む家族手当の支給基準を103万円にリンクさせていることだ。人事院が2015年に行った調査によると、配偶者手当のある民間企業のうち、約69%が収入制限の額を「103万円」としていた。そのため、収入が103万円を超えると、配偶者手当が受けられなくなることを嫌って、103万円を事実上の壁にして働いている可能性がある。

さらに、103万円が壁でなくなっても、今度は妻自身に社会保険料の負担が生じる「130万円の壁」が立ちはだかる。妻の収入が130万円を超えると、年金や健康保険の保険料負担が生じるためだ。

大和総研の是枝俊悟研究員によると、収入が130万円に達し、協会けんぽ(中小企業の従業員が加入する医療保険)と厚生年金に加入すると、年間18.3万円の負担が新たに生じるという。仮に妻の収入が129万円であれば、夫の扶養扱いとなり、こうした負担が一切生じない。比べれば違いは大きい。

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