原田泳幸氏「ついてこられない幹部はやめろ」 日本マクドナルド社長に聞く

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――現役店長が提訴したり労組が結成されたり、現場の反発が強まっています。

この2年間の変化が原因でも何でもない。今の会社の施策に不満があって社員の反動が出てきたとは認識していません。ただ店長は経営者です。責任もあれば権限もある。その判断は今後も一貫して変わらない。

――年収が150万円、200万円もダウンしたという人がザラだが。

それは一部でしょう。店長ではそんなにもらってないでしょう。そこから200万円も下がったなんてありえない。ただ、成果の段階で下がったなら本人の自己責任です。成果を出した店長には報奨金を出しています。

今のモデルでは利益は出ない

――元社員のFCオーナーの多くが本社への不信感を抱いています。

1オーナーが2.5店舗しか持たない今のモデルでは利益は出ない。時間をかけて経済モデルを模索する。ただ辞めなくてはならないほど大変、うまくいかないというFCはほんの一部でしょう。既存のFCオーナーに頑張ってもらわないと。昔は経営手腕に問題があって利益が出ないのに、藤田さん何とかしてください、という文化だった。今は上場企業ですから、株主説明責任もある。独立経営者との規律は必要で、そこは責任を持ってやっていただく。

今日は組合の話とかFCの話とか一部の異例な話をずっと取材しているようだが、大切なのは、7年間続いたマイナスがこの2年でプラスに転じたということ。大多数がプラスに動いているからこそこの数字が上がっているんです。一部では、原田のスピードについていけないとの声もあるようだが、経営幹部たちには、ついてこられないなら辞めろと言っている。バスに乗るか乗らないかは自分で決めろ、と。1年経ったらチケットを買い直せと言っている。その方針はまったくぶれていない。

(撮影:梅谷秀司)

風間 直樹 東洋経済コラムニスト

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かざま・なおき / Naoki Kazama

1977年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、法学研究科修了後、2001年東洋経済新報社に入社。電機、金融担当を経て、雇用労働、社会保障問題等を取材。2014年8月から2017年1月まで朝日新聞記者(特別報道部、経済部)。復帰後は『週刊東洋経済』副編集長を経て、2019年10月から調査報道部長、2022年4月から24年7月まで『週刊東洋経済』編集長。著書に『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』(2022年)、『雇用融解』(2007年)、『融解連鎖』(2010年)、電子書籍に『ユニクロ 疲弊する職場』(2013年)など。

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