ツイッター創業者、新ビジネスと起業を語る 新世代リーダー ジャック・ドーシー

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限りなく小さくてシンプルな端末に

――ドーシーさんはもともとソフト開発が専門。ハードビジネスを始めるのに抵抗はありませんでしたか。

確かに僕らは端末をどうやって作っていいのかわからなかったので、最初は躊躇もあった。が、ジムが「テックショップ(工房)」に通うようになって、そこで多くのことを学んだ。それと大事なのは、僕らは単にプラスチック製品を作ろうとしていたのではなくて、人々に何か新しいものを提供しようと考えていた。だから、僕らはカード決済体験をまったく新しいものにするために、可能な限り小さくてシンプルな端末を作ることに挑戦した。

――スクエアを立ち上げるうえでの苦労は。

ものすごくたくさんあったよ。僕らはみんな金融業界については素人で、業界の構造や仕組みを学ぶところから始まった。それから、きちんとした提携先を選ぶなど、たくさんのことについてたくさんの人と協議をしなくてはならず、とても複雑だった。ハードを作ることも僕らには初めてのことで、投資家たちになぜカード決済事業をするのにハード端末が必要なのか説明する必要もあった。なぜソフトで完結できないのか、と彼らは考えていたんだ。

多くを学ばなくてはならず、サービスを開始するのに9カ月もかかった。ハイテクのスタートアップの場合、たいていサービスはすぐに始められるものだが、僕らは金融関係の規制をクリアして、金融機関と交渉する必要もあった。(スクエアの)技術自体を開発するのは簡単だったが、業界の人たちとのネゴは大変だった。

それから、業界の力学を変え、自分たちの存在価値を証明するには、やはり決済のボリュームを増やすことがとても重要だった。今や年間決済額は100億ドルを超えるようになったが、これは非常に重要なことだ。

――クレジットカード会社にとってスクエアは脅威になりますか。

いや、実際脅威に思っているところはないどころか、スクエアのサービスをとても気に入っていて、シティバンク、JPモルガンチェース、VISAはスクエアに出資してくれている。なぜこうした企業が出資しているかというと、スクエアを通じてネットワークが広がるからだ。さっきも言ったとおり、いまだ2600の中小ビジネスはクレジットカードを受け付けておらず、スクエアはこうしたビジネスをネットワークに加えることができる。VISAやマスターカードの最終的なゴールはこの世で使われるキャッシュをなくし、カード利用を増やすことで、カード会社はスクエアがより多くの人たちにカードが使える機械を提供していることに興奮している。

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