「豊洲市場」移転延期で鉄道・バスが大混乱! ゆりかもめ「市場前駅」は人影なく都会の秘境
東京都交通局によると、都営バスは豊洲市場への移転に合わせ、現在JR新橋駅と築地市場を結んで走っている「市01」系統の延伸と、東京メトロ東西線の東陽町駅と豊洲市場を結ぶ新路線を計画しており、移転に合わせて運行を開始できるよう準備を進めてきた。
路線延伸や新路線開設の手続きはすでに進めており、認可が出れば運行を始められる状態だという。
だが、市場の移転が延期となったことから、バスについても運行は延期の方向に。バス停も「残念ですが(当面は)使われないことに」と都バスの担当者は語る。市場移転の時期は見通せないままだが、今後も「運行に向けた手続きなどは粛々と進めていく」という。
始発列車は早くなるが…
「市場前駅」を抱えるゆりかもめも、当然ながら移転と無関係ではない。同線はこの10月1日に約5年ぶりとなるダイヤ改正を行うが、今回は列車の増発に加えて始発列車の時刻繰り上げも行う。ゆりかもめの豊洲駅発始発列車は、現行のダイヤだと5時41分。これを5時15分に早め、さらに5時台の本数も現行の2本から4本に増やす。
改正について、ゆりかもめの担当者は「現行ダイヤの始発時刻が遅いという要望が以前からあったほか、混雑緩和などさまざまな理由があるが、豊洲市場の移転も理由の一つ」と話す。始発列車の時刻繰り上げについては「市場側からも要望があった」という。
東京都中央卸売市場によると、ゆりかもめの始発時刻繰り上げは「現在の(都営地下鉄大江戸線)築地市場駅と同じくらいの時刻に豊洲市場に到着できるように」との狙いで調整を図ったという。現在の大江戸線築地市場駅の始発列車時刻は、平日・休日ともに大門方面行きが5時20分、両国方面行きが5時22分。ゆりかもめの新ダイヤでは、豊洲発の列車が5時18分、有明からの列車が5時23分に市場前駅に到着するため、ほぼ同じ時間に市場に着くことができる。
ダイヤ改正を行う理由の一つでもある市場の移転が延期されたとはいえ、ゆりかもめ側にとっては「すでに市場前駅は開業しているため、特に影響はない」(同社の担当者)ほか、沿線利用者にとっては増発で利便性が向上するため、ダイヤ改正自体のメリットはある。だが、現状では11月以降も新市場に向かう買い出し客はいないまま、市場前駅が「都会の秘境駅」である状況が続くだろう。
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