そうなると、出版界も黙って見てはいられなくなった。かつてはホッキングの手紙に返事もしなかった出版社が、何社も彼女と契約しようと群がった。
結局、大手出版グループ、マクミラン傘下のセント・マーティン・プレスが次の2作のシリーズの契約を200万ドルもの大金で取り付け、大きな話題を呼んだ。現在は、映画化も進んでいるという。
ホッキングの小説で人気があるのは、トロール(邪鬼)の血を引く少女が登場するシリーズ。「読み始めたら止まらない」というのが、彼女のファンの口癖だ。ホッキングは、冴えない少女からヒップなヤングアダルト小説を書く作家へと見事に脱皮し、文字どおり、自費出版作家のシンデレラ・ストーリーを実演してみせた。
本気で小説を書こうと決心したきっかけは、あるロック・ミュージシャンが言っていたこんな言葉だったという。「若いんだったら、やってみたらいいんだよ」。
けれども、彼女は言う。
「クリックひとつで出版はできるようになったけれど、だからといって、すぐに成功が手に入るわけじゃない。私はずっと懸命に書いてきた。時間とエネルギーと心を、本当にたくさん投入しなければならないのよ」
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