平和ボケ?韓国人は5度目の核実験に無関心 実験当日の人気検索語は「サムスン 採用」

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9月9日、テレビ売り場で核実験を報じる番組を見るソウル市民(写真:REUTERS/Kim Hong-Ji)

就職活動中の27歳の男性は「核実験が繰り返されて、だんだんと無感覚になっているようだ。今は就職など日々の生活を考えることだけで精一杯で、核実験を気にする暇はない」という。

会社員の31歳の女性は「自分たちが危機的状況にあるから“カネをくれ”といったパフォーマンスをしているのではないか。戦争になろうがなるまいが、今は自分たちの生活が一番の問題」と述べた。

「北朝鮮 核実験」という検索は5~9位

9日の韓国の各ポータルサイトを見ると、人気検索語は「サムスン 採用」「KT(Korea Telecom)採用」「イケア(IKEA)」「水ティッシュ」といった生活密着型の単語が上位を占め、「北朝鮮 核実験」という検索語は、ベスト10入りはしていたものの、5〜9位を行ったり来たりするだけだった。

ソウル駅待合室にある大型テレビに北朝鮮の核実験を伝えるニュースが流れているが、足を止めて見守る人はまばらだった(写真:ソウル新聞)

北朝鮮と対峙する非武装地帯(DMZ)の南側の住民たちも、いつもと変わらない生活を送った。DMZ内となる京畿(キョンギ)道坡州(パジュ)市テソン里(里は行政単位の一つ)のキム・ドング里長は「旧盆を前に、農作業で忙しい住民らは、動揺することなく日常生活を送っている」と述べた。

一方、78歳の女性は「北朝鮮が突発的な行動を取るのではないかと心配。何よりも、旧盆を前に穏やかな社会的雰囲気が壊れ、騒々しくならないか気がかりだ」と述べた。韓国・東国大学北朝鮮学科の高有煥(コ・ユファン)教授は、「核は明白な脅威ではあるが、このような北朝鮮の行動がいわば日常化しており、市民らが鈍感になっている」と説明する。

ミョン・ヒジン 「ソウル新聞」記者
キム・ヒリ 「ソウル新聞」記者
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