香港の「反中独立派」が中国を揺さぶり始めた

香港議会選挙で反中勢力が6議席を獲得

雨傘革命は3カ月弱で終息した。その効果については、選挙を基本法通りの形に戻すことはできなかったので失敗だったと評価する人も多い。が、中国政府による統制強化への反発に共鳴する者が増えたことは学生たちにとって成果であった。

今回の立法会選挙はそんな状況のなかで行われた。冒頭に記したように、立法会の定数70のうち、民主派が30の議席を獲得した。2012年の前回選挙と比べると、民主派は3議席増加し、北京派がその分だけ減少した。香港政府が提出する重要法案を否決するには3分の1の票が必要であり、それを満たす議席を確保したことは重要な結果であった。

この民主派の中には雨傘革命から台頭してきた「本土派(localist)」と呼ばれる急進グループの6人が含まれている点が重要だ。日本語の感覚では北京寄りのグループに聞こえるが、「本土」とは香港のことであり、香港の独立を主張しているのはこの人たちだ。

この6人という数を多いと見るか、少ないと見るか。単純に数だけ見れば、本土派は70の議席のうち1割にも満たない。民主派の中でも明らかに少数だ。しかし、前回の立法会選挙では独立を唱えるものなど誰も議員になれなかったので、本土派はゼロから6議席になったのだ。

香港随一のエリート大学、香港大学の学生はこれまで何回も政治傾向の調査を行っており、2007年の調査では、香港独立に賛成する人は2005年の22%から2007年には25%に上昇した。返還から50年後、つまり現状維持でなくなる2047年には33%に増加すると推定されていた。

中国政府は約束を守るのか、守らないのか

中国はこれに対し、強硬な手段で統制を強めてくる可能性が高い。過去に実例がある。2015年秋に香港の一書店の店主以下数名を中国に拉致した事件であった。同書店が中国に批判的な書籍を販売したことが理由だと言われている。中国は中国内での厳しい言論統制を香港においても実行しようとしたのだ。

香港の新聞は今のところ中国内ほど厳しい規制下におかれておらず、『明報』など一部の新聞は比較的中立の立場を維持している。しかし、今後の状況次第では統制が強化される恐れがある。そうなると香港住民の権利はまたしても踏みにじられることになるのではないか。

中国政府が強硬な言論統制によって中国批判と民主化要求を封じ込めようとすれば反発も大きくなるだろう。また、民主化運動の影響は特定の都市や地方にとどまらず、他の地方にも、また国際的にも広がっていく。しかも、香港で起こっていることを見て中国はルールや約束を守らないという印象を持つ人が増えるのではないか。中国が香港にどのように接するかは中国の内政問題だが、中国が約束を守るか否かは国際社会が見ている。

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