マック「ランチ割引」、なぜ1年ぶりに復活? 迷走するお昼のキャンペーン
当時の発表資料によれば、てりやきやフィレオフィッシュに加えて、「チキンフィレオ」や「えびフィレオ」といった商品のセットが490円で買えるというものだった。
この頃は原田泳幸氏が経営を主導し、驚異的な業績回復を遂げており、既存店売上高は2004年から前年超えを記録していた。ただ、客数に限っては、リーマンショックが影響してか2008年8月で連続記録更新が止まっていた。
当時の発表資料には「厳しい経済環境の中、ビジネスマンなどを応援するため」とキャンペーンの狙いを説明している。当初は関東限定で1カ月ほどのキャンペーンだったが、2009年3月に月間売上記録を更新するなど効果が見られたことから、同年5月から提供エリアを全国に拡大、終了期間も未定とし、実質定番化した。
その後、マクドナルドは2011年4月にはパワーランチを終了し、「マックランチ」を導入した。実施時間は午前11時~午後2時とほぼ変わらないが、ポテトとドリンクをMサイズからSサイズに縮小し、ダブルチーズバーガーや、てりやきを490円で提供するキャンペーンだ。同年6月からは実施時間を夜9時までに延長している。
迷走するお昼のキャンペーン
だが、効果はいまひとつだったようだ。2012年に既存店の前年割れが定着し始め、原田マジックの終焉がひそかに語られ始めた。
会社側は同年5月頃、マックランチを終売し、「平日限定『500円バリューセット』」を開始した。こちらはポテトとドリンクがMサイズにアップし、午前11時~夜9時までセットが500円で食べられるという、かなり値頃感のあるもの。だが、このキャンペーンはわずか5カ月で終わりを告げた。
そして既存店売上高が8年ぶりにマイナスとなり、9期ぶりの減収減益決算が避けられなくなった。2012年秋、今度は「マックランチ」を導入する。実施時間を平日10時半~14時に縮小、一部の「ビッグマック」などの看板商品が550円と割安に設定したものの、平日限定バリューセットからみれば、大幅な縮小となった。
2期連続の減益が決定的となった2013年8月、原田氏が一部の職種をサラ・カサノバ氏に禅譲。カサノバ氏は当初、ランチ戦略を据え置いたが、2014年10月には「クォーターパウンダーチーズ」や「えびフィレオ」のセットも盛り込んだ、マックランチの拡大版といえる「昼マック」を開始した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら