黒田日銀で政策委員は”変心”するのか

4月3、4日の日銀金融政策会合に世界が注目

「日銀プロパー」として副総裁に就任した中曽宏氏も前向きだ。国会では、「銀行券ルールそのものを維持するかどうかよりも、日銀の国債買入れは強力な金融緩和が目的で、財政ファイナンスを目的にしたものではないとしっかり情報発信することが、むしろ今は大事ではないかと思っている」と発言。みんなの党の中西健治議員が「これ(銀行券ルール)にこだわるものではないという考えか」と問い直すと、「現実(長期国債残高が銀行券残高をすでに上回っている)を踏まえてよく考えていく必要がある」(中曽氏)と答えている。つまり、銀行券ルールの見直しとともに、長期国債買入れを統合する議論がなされる可能性は十分ある。

新たに政策委員会のメンバー(合計9名)となる総裁、副総裁の3名は、銀行券ルール見直しについては”容認”といえる。白井委員の長期国債買入れの統合案にも理解を示すと考えられ、潜在的な賛成票は「4」。だが、金融政策は多数決であるため、3月会合と同様、ほか5名の委員が引き続き反対をすれば、議案は否決される。

政策委員会で合意形成を図るのが難しいと見て、議長の黒田総裁が統合の採決を見送ればそれまでだ。だが、3月会合に続き、白井委員が同じ統合の提案を行えば、賛成・反対の採決をとらなければならない。黒田日銀になった途端に変心し、3月の反対を取り下げて賛成に回る委員が出てくるのかどうか。まさか、「賛成1・反対8」だった採決がたった1カ月後に「賛成9・反対0」にはならないにしても、数の変化はあるかもしれない。

いずれにしろ、白井委員の出方次第で、ほかの委員は改めてその信念を問われることになる。従来の日銀の金融政策が不十分と批判する黒田総裁が目論む「大胆な金融緩和」に、白川時代を経験したほか6名の委員はどのような姿勢を示すのか。初会合がその試金石となる。 

(撮影:尾形 文繁)

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