昼夜で色と光を変える電車内照明の凄い進化 省エネ化とともに雰囲気や居心地も一変!

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東京メトロ日比谷線新型車両の室内。荷棚の模様も光る仕組みだ(撮影:尾形文繋)

8月31日に公開された東京メトロ日比谷線の新型車両13000系も、照明に力を入れた車両の一つだ。ホームドアの設置に向けて車両のドア位置を統一するため、従来と異なる1両あたり20m・4ドアの構造となったのが大きな変化だが、車両のデザイン面で同社の担当者が力を込めて語ったのは「光」へのこだわりだった。

東京メトロは2013年度以降、新たに導入する車両については車内照明をLED化しているが、日比谷線の新型車はまぶしさのない照明をめざし、LEDを使った間接照明を採用。色も温かみの感じられる光になるよう調整したという。さらに、ガラス製の荷棚に描かれた「江戸切子」の模様も、荷棚の奥にある光源によって光るようになっており、座席に座っている人向けの補助照明としての役割を果たす。

このほか、小田急電鉄では調光機能によって明るさを3段階に変えられる車両を2013年から導入。色も優先席の付近はつり革の色と合わせた暖色系、その他の部分では白色とし、明かりに機能的な意味を持たせている。

「明かり先進路線」は大阪に

通勤電車の内装は、伝統的に関西の鉄道のほうがこだわりが強いといわれる。照明についても、関西の鉄道では蛍光灯にカバーを取り付けていることが多い。LED照明の時代に入っても、「凝り具合」は今のところ関西がリードしているようだ。

色を変えられるLED照明を通勤電車で初めて採用したのも関西の鉄道だった。大阪市営地下鉄御堂筋線と相互乗り入れを行う北大阪急行電鉄は、2014年に導入した新型車両「9000系」に、国内の通勤電車では初となる調色・調光可能なLED車内照明を採用。狙いは「やすらぎ空間」の演出と省エネ化だ。色は白色と電球色の2色で、時間帯や季節によって使い分けているという。

御堂筋線にはこの秋、さらに凝った照明の車両が登場する。大阪市交通局が導入する新車両は、なんと5色に変化するLED照明を採用。白色や昼白色、温かみのある電球色といった一般的な色のほか、「しだれ桜」「ソメイヨシノ」と名付けられた2色の「さくら色」の照明を加え、時間帯に合わせて制御する。さくら色は「幸せを感じる色」とも言われているといい、鉄道車両の車内照明に採用するのは日本初という。

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