保育界の"改革野郎”、「日本」との戦い方 新世代リーダー フローレンス代表理事 駒崎弘樹

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こうして小規模保育という新しい類型、制度を作ってくれた。それが国会で通り、2015年から全国で展開できるようになりました。

――キーマンに直談判し、リベンジは成功したわけですね。これを契機に、保育園は増えますか。

数は、確実に増えます。すでに横浜市では先行的に、当時横浜市の副市長だった山田(正人)さんというイクメンで有名な方にご協力いただいて、政策化していただきました。当初3園でやるつもりが十数団体から公募が来て、今度21園に広げるということです。

実はこれは、国に先駆けて地方にやってもらったんですね。そういう実績があれば、国もやりやすいわけですから。

巨大な既得権益に、たった1人で挑む

――業界からの反発は大きかったのではないですか。

実際、一昨年の国会での三党合意にたどり着くまでに最も大変だったのは、世論形成です。特に業界団体、既得権益を持つ方々がいちばん反対する。

今までは保育への参入は規制されていて、待機児童がいるかぎり、基本的に保育園の経営は安泰だった。だけど、新規参入が増えると競合し、自分たちのパイを奪い、脅威になってしまう。

当時、論戦およびロビーイングをさんざんやりましたね。NHKの番組に出て、業界団体の人と議論したり、政治家を動かすために某政党に働きかけたり。

――政党に働きかけたりもするのですね。

キーマンとなる政治家の方に、何が日本のために重要なのか、切々と説明します。政治家というと、腹黒いとか計算高いとかいうイメージを持たれる方は多いと思いますが、意外にきちんと話せば理解して下さる方が多いのです。

――でもそのくらいやらないと、政治は動かない。

そうです。既存の保育業界、ある種の変化をいとう業界からすると、僕みたいな改革野郎は、あまり好ましい存在ではないでしょうね。

でも、けんかをしたいのではなくて、保育園に入れないで困っているという人がいるんだから、保育園を作ろうよという話なんですね。それなのに、(NPOや企業が保育をやると)保育の質が保てないとか言われる。社会福祉法人という日本に特殊な法人格だと質が高い、なんて意味不明なことを言っている。じゃ、保育の質って何? と聞くと、定義も根拠もないんですよね。

これは本当に、政治的なんです。本質は子供というものをネタにした、政治ゲームで、多くの親と子どもたちが犠牲になっている。

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