外国人買い継続、日経平均は年末1万5000円も マネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏に聞く
当時に比べると、今のほうがむしろ「日本が変わる」確率は高い。小泉元首相にはリーダーシップがあったが、何が変わったかといえば、郵政民営化が目立つぐらい。大きな変化はなく、同元首相が退任したとたん、官僚が力を取り戻してしまった。
これに対して、安倍首相の場合、日本の構造改革には踏みこんでいないが、低迷する経済立て直しのためにデフレ脱却へ動き始めた。ほかにも、日銀の体質改善を見据えた人員配置、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加表明など、日本経済を大きく変えようとの強い意欲がうかがえる。
変化は05年当時をしのぐものになるだろう。それを考えれば、外国人買いが10兆円で止まるとは考え難い。3月以降、海外勢の日本株買いが再加速しているのは、本腰の入った中長期の資金が入ってきていることの表れだ。
――物色の流れはどうなりますか。
「デフレ脱却→インフレ」というテーマに沿った銘柄が人気を集めるだろう。不動産株買いはその一環だ。ただ、「含み資産株」には注意が必要だ。不動産株ならば、土地の値上がりが収益をもたらすが、土地を保有しているだけの企業だと、収益を生むわけではない。
デフレ脱却は円安修正も促す。自動車、タイヤなどの銘柄も恩恵を受けるだろう。米国景気回復という追い風も吹いている。また、実質金利の低下によって設備投資が動き出せば、同関連銘柄にも矛先が向けられそうだ。「インフレでカネ離れがよくなる」との連想から、消費関連株も投資家の関心を集めそうだ。「いずれは長期金利が上昇し、長短金利差が拡大する」との思惑から、金融株が買われる可能性もある。インフレ期待の高まりに伴って循環物色の裾野が広がりそうだ。
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