地球を周回する巨大「セロテープ」看板の謎 車窓広告のお手本?名コピーとビジュアル化

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三河安城駅からすぐの場所にあるニチバン安城工場

三河安城駅は、名古屋のひとつ手前の駅。「こだま」が1時間に2本停車するだけで、東海道新幹線の中でも岐阜羽島駅に次いで乗降客が少ない駅だ。下り「のぞみ」なら、この駅を通過したところで「ただ今三河安城駅を定刻に(○分遅れて)通過いたしました。あと約10分で、名古屋に到着します」とアナウンスが入ることでも知られている。このアナウンスは、JR東海の車内放送マニュアルにも必要に応じて行うと記載されている。三河安城駅は、「のぞみ利用者に最も知られている通過駅」だ。

その三河安城駅を発車した直後、E席側に巨大な「看板」が現れる。ここは、「セロテープ」で知られるニチバンの安城工場で、倉庫の壁面全体がニチバンとセロテープの巨大な看板になっている。

名コピーが彩る巨大広告

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ユニークなのは、なんといってもそのコピーとデザインだ。「無くしてわかるありがたさ 親と健康と セロテープ」。親も健康も、普段はあって当たり前の存在。親を失い、あるいは病気になって、初めてそのありがたさに気付く。同じような経験をした人は多いだろう。

ちょっと何かを貼り付けたい時に、さっと取り出して使うセロテープ。あまりにも身近な存在なので、うっかり切らしていた時にはコンビニなどへ買いに行くのも面倒で、「まいったなあ」となる。誰もが経験したことがありそうな、いいコピーだ。

このコピーを作ったのは、コピーライターの仲畑貴志氏。
「おしりだって、洗ってほしい。」(TOTO/ウォシュレット)
「目のつけどころが、シャープでしょ。」(シャープ)
など、誰もが知っているコピーを生み出した、日本を代表するコピーライターの一人である。JR九州の「愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている。」も、仲畑氏の作品だ。

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