ソニー「中高年リストラ」の現場 「キャリアデザイン室」で何が行われているか?

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Cさんは、面談を受けた再就職支援会社の担当者から、次のようにアドバイスされた。

「あそこ(=キャリアデザイン室)にいると働こうとする気持ちが失せてしまい、グループ外の企業に応募しても合格しなくなる。在籍するにしても、せいぜい半年にとどめておいたほうがいいと思います」

11年当時にキャリアデザイン室に在籍していた同僚からも、「何もしないというよどんだ空気が嫌だ。今回は退職勧奨を受けたので会社を辞める。あの部屋にだけは絶対に戻りたくない」という言葉を聞いた。

ソニーの生産子会社の期間社員として勤務した後、雇い止め撤回のための団体交渉で再就職となり、ソニーの孫会社の正社員となった3人の社員も、疎外感を抱いている。

3人は昨年7月に孫会社への就職が実現した。しかし、「キャリア育成グループ」に配属されて7カ月が経った現在も、「仕事ではほかの社員と区別され、朝のミーティングへの参加も認められていない」(3人の一人のEさん)という。

疎外感を抱く孫会社の社員たち

Eさんによれば、「担当する清掃業務に必要ない」という理由でパソコンは支給されていない。そのため、紙の勤務記録表に手書きで出退勤時間を書き込んでいる。

また、パソコンがないために社内のホームページを見ることができず、「監督者」としてソニー本社から派遣されている上司から情報を得るしかない。ところが、この上司がしばしば情報伝達を失念するために、締め切り直前まで健康診断や予防接種の連絡がなかったという。

3人の社員は今年2月、上司に処遇の是正を求めたが、上司は「仕事の内容が違うのだから、ミーティングをほかの社員と一緒にやる必要はない。パソコンも支給しない」との考えを変えなかった。

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