「3つの傲慢」が日本のFinTech普及を阻む 大手金融機関がベンチャーに見限られる日
「銀行はまったく必要なくなる」
「グーグル、フェイスブックが今後のわれわれの競争相手になる」
米国の金融業界に多大な影響力を持つ大手投資銀行JPモルガン・チェースCEOのジェイミー・ダイモン氏の言葉である。フィンテック(FinTech)について触れた記事や書籍でたびたび紹介されているフレーズだ。
昨年から日本でも急速に盛り上がりを見せているフィンテックは、Finance(金融)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語だ。テクノロジーを駆使して新たに生み出された、便利でデザインに優れた金融サービス、もしくはそうしたサービスの提供企業を意味する。
冒頭のフレーズに集約されるように、米国の金融機関がフィンテックに取り組むのは、グーグル、フェイスブック、アップルなど、シリコンバレーを中心とする米国西海岸のテクノロジー企業大手やスタートアップ企業が提供する決済や送金、融資などの金融サービスが脅威となっているからである。
「金融サービスには、信頼や信用が不可欠であり、ネット企業やスタートアップにはとうてい不可能だ」。こういう意見もあるだろうが、金融危機で大打撃を被った米国の消費者からしてみれば、むしろ、既存の金融機関のほうが信用できない存在ということになる。
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