資生堂、実力会長トップ復帰の「真相」 キーマンの社外取締役が“独占激白"
私(上村氏)を含む資生堂の社外取締役3人、社外監査役3人のいわゆる独立役員は、3月31日付で退任する末川久幸社長の後任に、一致して前田新造会長を推薦した。この間の状況については、3月11に資生堂が開いた記者会見だけでは、資生堂の社員・関係者がその趣旨などを十分に理解することができたかどうかの懸念もあるので、あえてこのインタビューに応じることにした。
もともと私も記者会見の場に待機しており、この種のことについて厳しい質問があった場合には、私自身が説明をすることも考えていたという事情もある。
前田氏は会見で話していたとおり、当初から社長に戻ることなど考えていなかったのは事実で、初めはこちらの要請を固辞したが、最後にはこの役どころを受け入れた。
末川社長が辞任するのは体調不良のためだが、この間資生堂の業績悪化等の責任を痛感して大いに悩まれていたのも事実であり、取締役会でも問題が数多く指摘されていた。しかし、この間の経営については、前田会長が敷いてきた路線を踏襲してきたことも明らかであり、やはりもっとも責任を痛感すべきは前田会長なのではないかという声が大きかった。その前田会長を末川社長の後継に指名することについては、十分な説明がないと理解し難いように思われる。
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