それは一言で言えば、本格的な後継者にとって、この間の負の遺産の整理が最初の仕事になるような事態は避けるべきであり、むしろそうした本格後継経営陣には上昇ストーリーしかないと言えるようなところまで、聖域のない思い切った改革を行うことで事態の改善を果たす。そのことこそ前田会長の責任なのではないかというのがわれわれの一致した考えだった。
実力以上の配当は問題
では、その負の遺産とは何か。それはこれから本格的な検討を行うことで大胆に提示されるべきことだが、外部からみても情報開示への信頼性、連続する下方修正、配当性向が3年連続して100%を超えること、また大規模企業買収による巨額なのれんの計上等、対外的に明らかになっていることで、問題と思われる状況があったことは否定できない。対外的には配当性向40%を標榜しているが、それはまったく守られていない。
資生堂は、真面目な会社であり、CSRや社会貢献に熱心であること、長年にわたる顧客、株主からの信頼も厚いことから、マイナス情報の提供や減配といったことの断行をためらうところがあったのかもしれない。デフレ経済下で、高級化粧品のイメージが強い資生堂は、通販等の攻勢にさらされ、ビューティーコンサルタントによる対面販売をノルマを課さないで実施するといった手間暇のかかるビジネスモデルを堅持してきた。
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