加えて、グローバル企業の意思決定機能の獲得にも乗り出し、アジア本社をシンガポールにおいた企業には20%の法人税を10%にまで軽減し、さらにグローバル本社を置いた会社には0~5%まで法人税を引き下げるという方針も打ち出しています。
米国に本拠を置くP&Gが、アジアの本社機能を日本からシンガポールに移したことが話題になりましたが、その背景にはこのような政府一丸となった企業誘致策があります。
また、相続税やキャピタルゲイン課税がないシンガポールには、世界から富裕層が集まっており、最近ではフェイスブックの共同創業者であるエドゥアルド・サベリン氏や、ニュージランド一の大富豪である、リチャード・チャンドラー氏が移住したことで話題となりました。
「世界最高」の銀行グループ、OCBC
このように、世界中からグローバル企業や富裕層を集めるシンガポールですが、最も強い産業はやはり金融業でしょう。シンガポールには、ASEAN諸国からはもちろん、日本、中国やインドといったアジア諸国に加えて、中東のオイルマネーや、最近では富裕層向けの所得税が上昇したフランスなどを中心とした欧州、米国などの資金も流入してきています。
オフショアの資産運用先として世界一の人気を誇ってきたスイスが、米国の税当局に顧客情報を出したタイミングから、資金流入はさらに加速してきているようです。