リーガルが快進撃を続ける3つの理由 “武骨"でありながら“柔軟"に

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理由の2つめは、婦人靴の強化である。同社は紳士靴のイメージが強いが、ここにきて婦人靴の売り上げを伸ばしており、直近の婦人靴の売上高比率は約30%にまで高まっている。OL層のリピート率が高い米国ブランド「ナチュラライザー」については女性だけの専門部隊を2年前に新設し、展開を加速。全国12店舗の直営店だけでなく、最近は百貨店などへの卸売も増やす。リーガルブランドで履き心地を重視した「リーガルウォーカー」についても、婦人向けの今期売り上げが前年比で200%という勢いだ。

3つめの理由は、卸売り事業の拡大である。百貨店や専門店に対し、共同企画やコラボレーションなどオリジナルアイテムの提案を積極化し、取扱い店舗数を拡大している。テナントの中にリーガルのスペースを確保する「ショップ・イン・ショップ」という売り場形態も増やしており、現在全国4店舗のみの展開だが、近々もう2店舗増設も視野に入れているようだ。

「品質重視」で復活

2010年3月期には最終赤字に転落するなど業績が低迷していたリーガルを建て直したのは、10年4月に就任した岩崎幸次郎社長だ。同社で初めての製造畑出身者である岩崎社長は、消費者の低価格志向が鮮明な状況下であるにもかかわらず、「品質重視の徹底」を経営方針として掲げた。「品質を下げず」「値段を変えず」と社内で宣言し、東北4工場での国内生産を貫いた(現在、国内生産比率は約9割)。精神は“武骨”でありながらも、婦人靴強化などの柔軟な施策を打ち出す。この硬軟併せ持つ戦略が、ここにきて効果を発現しているのだ。

会社は今13年3月期業績について、売上高352億円(前期比0.1%増)、営業利益21億円(同13.7%減)と、減益の計画だ。ただ、足元の販売は順調に推移しており、業績上振れは必至であろう。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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