シェール革命で日米が世界経済をリードする 安価なエネルギー価格で、アメリカはデフレ下の景気回復に

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今は主にアメリカ国内の天然ガスや原油の価格下落だけで済んでいますが、アメリカがシェールガスを本格的に輸出するようになったら、世界中の天然ガスや原油、石炭などのエネルギー価格が大幅に下がり、これまで資源で外貨を稼いできた国々の経済を疲弊させてしまうからです。

こういった世界経済の二極化が進む中で日本経済が復活するためには、日本はアメリカと強力なタッグを組むこと、すなわちアメリカの世界戦略に乗ることしか選択肢はありえません。幸い、アメリカが自らの世界戦略を達成するためには、日本の協力が必要不可欠となっています。その意味で、「軍事上の安全保障」「エネルギー安全保障」「経済上の安全保障(=TPP)」の3点セットは欠かせないものになります。

アメリカも、強い日本を必要としている

日本が強いアメリカを必要としているのと同じく、アメリカも強い日本を必要としています。アメリカにとっての強い日本とは、「経済が強い日本」を指しているのは言うまでもありません。これは、日本にとっても千載一遇のチャンスです。要は、日本国民が真に豊かな生活を送ることができるようになるには、日本の政治が世界の情勢とアメリカの世界戦略を理解して、当たり前の判断さえできれば、いいわけです。

ただし、アメリカの経済が復活するということは、エネルギー価格の下落によるものであるという事実を無視してはいけません。すなわち、エネルギー価格の下落は食料価格の下落はもちろんのこと、あらゆるモノの価格を押し下げる圧力になるからです。つまり、アメリカはデフレ下の景気回復を達成する、ということになるのです。

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