カッコよさがすべて、バーニーズNYの神髄

クリスピー・クリーム・ドーナッツ出身、上田谷社長に聞く

――百貨店業界では16年ぶりに既存店がプラスになるなど最近は明るい話題もありますが、全体としては縮小傾向です。

バーニーズに限って言うと、昨年後半ぐらいから高額品が売れるようになってきています。ちょうど品ぞろえを工夫し始めた時期と重なりますが、インポート(輸入)ブランドがきちんと伸びていますし、高額な商品も売れています。世の中全体の消費意識は底を打っていると感じます。

「安ければいい」というのは、みんなさすがに飽きてきた。消費者は高い商品を買い求める志向が強くなっています。バーニーズは小売業の中では価格設定が高めのゾーンに入っていますので、僕らのマーケット自体は完全に追い風が吹いていると思います。

――直近では11年に博多にも出店していますが、改装以外の新規出店の可能性は?

今は既存店を磨くことに集中しています。ひたすら出店して売り上げを伸ばす業態ではない。ただ、まだまだファッション好きの方が集まり、僕らの商売が成り立つ立地は、全国に数カ所かあると思っています。中期的にはもう数店、出店したいと考えています。

経営理念、ブランド理念を変える必要はなかった

――上田谷さんは、クリスピー・クリーム・ドーナッツや、ディズニーストアなどの業態を運営した経験をお持ちですね。

扱っている商品も価格帯も全然違うんですけど、僕がたまたま直近に手がけた2社の小売業はすごいブランドだった。ブランドの定義とは、創業時からあるDNAや理念をすごく大事にしていて、商品のテイストが変わってもぶれないものです。

バーニーズにもまったく同じにおいがした。「あっ良かった」と思いました。いま僕らが進めている戦略も、何一つ新しいことはない。もともとバーニーズが持っていたDNA、創業者が打ち出したバーニーズの使命みたいなものを今風に解釈しているだけ。「テイスト、ラグジュアリー、ユーモア」という経営理念、ブランド理念をまったく変える必要がないと、散々考えた結果に思いました。

なんといってもウチにいる従業員はみんなファッションが好き、バーニーズが好きで集まって来ています。これが最大の強みだと思っています。中途も新卒もOBも、全員が自分のブランドが大好き。品ぞろえやサービスっていうのは、いかようにも自助努力で変えられますが、ブランドに対する思いっていうのは簡単には作れない。そういう意味で、「このブランドは強い」って思ったんです。

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