サマンサタバサ、静かなる“出直し" 不振事業を次々と整理、本業に立ち返る

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一方、本業の「サマンサタバサ」ブランドは堅調だ。東洋経済の取材によると、クリスマスでプレゼント需要の高い12年12月の既存店売上高は前年同月比2ケタ増。例年、利益の大半を稼ぐ第4四半期(12~2月)のクリスマス商戦は、主力のバッグを中心に上々の結果を残している。ジュエリーも積極的な宣伝活動が効き、足元の動きは好調だ。

多角化の要諦は本業との関連性

サマンサタバサに限らず、M&Aにしても新規で立ち上げるにしても企業の多角化は一筋縄にはいかず、失敗する例は多い。多角化に成功する際のポイントは、強みを持った本業で培ったノウハウを生かせるかどうかである。その点で、サマンサタバサは本業とは関連の薄いネット通販や高級セレクトショップでは、苦戦を強いられたといえる。

一連の事業整理は、そうした反省に立った静かなる“出直し”といえるだろう。すでに走り出した新年度(13年度)以降、強みのある本業に立ち返り、これをいかに生かしていけるかが、再成長のカギとなる。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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