オリックスが大型買収、完全復活への一里塚 危機対応終え、欧州企業を傘下に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

辣腕経営者の完全復活なるか。オリックスはオランダ大手銀行ラボバンクから傘下の資産運用会社ロベコを買収する。買収額2400億円はオリックス史上最高、日本企業の買収では今年最大となる。

預かり資産23兆円超と世界的な資産運用会社のロベコ。リーマンショックが襲った1年を除いて過去10年間、預かり資産を増やし続け、直近2012年度は純益200億円、ROE14%をたたき出す優良会社だ。

オリックスの宮内義彦会長は「(世界経済が本当に)よい状況ならば、この価格では買えなかった」と振り返る。

10年に米国の中堅ファンド会社を買収したものの、資産運用分野での存在感が低かったオリックスは一躍「日本で首位の野村アセットマネジメントに匹敵する」(宮内会長)規模となる。

相乗効果の期待も大きい。ロベコは欧州に強いがアジアは手薄。オリックスが持つアジアでの強力な営業網にロベコの資産運用ビジネスを乗せれば、両社にウイン・ウインの成長果実が転がり込む──そんなシナリオを描く。

売り手のラボバンクは、ロベコの株式10%弱を保有し続ける。さらに買収額の一部は最大186億円分のオリックス株で受け取る。彼らもシナジーの果実を得られると考えているからだ。オリックスには、欧州の有力銀行との提携関係構築で大きな可能性が広がるメリットもある。

次ページ期待と不安が交錯
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事