本当に強いチームはPDCAの徹底を妥協しない 元パナソニック役員が導いた甲子園への道

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<Do>実行

・2カ月後の夏のメンバー発表までに、週3回、朝に特打を行う

・素振りは毎日100回増やす

<Check>評価

・2週間後に打率が上がっていない場合、「なぜ打率が上がらないのか」と問う

・振り返ってみると、バッティングが粗くなっている傾向にある。ヒットを狙う意識が強すぎて、ボール球に手を出していたからではないだろうか

<Action>改善

・ボール球に手を出さないよう、選球眼を磨こう

・ヒットを狙うだけでなく、四球も積極的に選ぼう

・打率とともに出塁率の高さをアピールして、レギュラーを目指そう

・次は出塁率もPlanに設定してみよう

あくまで例えではありますが、レギュラーメンバーだけでなく控えメンバーまでが、それぞれこのようなPDCAサイクルを回していたらどうでしょうか――。このような意識で練習なり試合に取り組んでいる選手ばかりだとしたら、秀岳館高校が圧倒的な強さで地方大会を勝ち抜いてきたのもうなずけるというものです。

監督がPlanにおいて注力していること

ポイントは、練習内容から結果まで、あらゆる行動を数値化していることです。実際のメンバーも「全部数値が出るので、サボらず全力でやるようになった」「数値に表れるので、やる気に繋がっている」と言っているようです。

一方で、このPDCAサイクルは、個人の目標達成や成長のためだけに有効なものではありません。チーム全体のマネジメントにも極めて効果のある手法です。

2014年に監督に就任した鍛治舎監督は、「3年で日本一になる」ことを公言されています。PDCAサイクルにおけるPlan(計画)では、描いたビジョンを具体的な数値で示すということが大事ですから、これはチームとしても理にかなった目標だと思います。

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